
世界をも魅了する焼きもの文化が花開いた佐賀。
日本各地に焼きもの産地はあるものの、なぜ佐賀が日本を代表する焼きものの里になり得たのだろう。
その歴史を探りながら、奥深き焼きものの世界に浸ってみたい。
古きもののなかに新しさを、新しきなかに伝統を感じさせる有田焼。営々と磁器を作り続けてきた自信と誇りは、有田の町を歩くだけでも、静かに伝わってくる。守るべきものは守り、変わるべきものは変わりながら歴史を刻み続ける有田焼の真髄に触れてみたい。
有田には、様々な歴史や伝統・文化が現代にも生き続けている。
有田を築く礎となった、知られざるエピソードをご紹介。
白くて美しい磁肌、華やかな絵付けの有田焼。
それは多くの人々の深い愛情と高度な技術に支えられ、分業制による製作工程を経て完成します。
そのめったにお目にかかれない製作工程をダイジェストでご紹介しています。
「有田雛のやきものまつり」に華やかさを彩る雛人形。
成形・下絵付け・上絵付けの行程をダイジェストでご紹介しています。
長い歴史の中で完成された有田焼は、一般的に「古伊万里」「柿右衛門」「鍋島藩窯(はんよう)(色鍋島とも言われます)」の三様式に分けられます。
この三様式の特徴をご紹介しています。
有田焼の代表的な技法である、白磁・青磁・染付・色絵の4技法をご紹介しています。
「有田は独特の雰囲気がある町。どうってことない風景の中にある美しさを発見してほしいですね。」
代々焼き物を生業とする家に生まれ、幼い頃から土と共に育ってきました。工房で職人さんと触れ合い、たくさんの教えを受けましたね。いたずらで土を投げたりすると”そんなことをしたら罰があたる、土は米と同じばい、命ばい”と一喝されて。


つまり有田は、そういう職人たちの魂が入っているところなんです。ですから有田焼の原点である白磁ヶ丘(泉山磁石場)はぜひ見ていただきたい。また、昔から【うなぎの寝床】といわれる有田の町並みは、陶山神社から眺めると違う趣に出会えます。私はトンバイ塀も好きで、若い頃はよく8ミリで撮って編集までしてましたよ。
作品を鑑賞する時は、見た最初の直感を大切にしてほしいですね。作者が何に感動して絵やフォルムに反映させたのかを見てもらえればと思います。もちろん説明もしますが、作品はそれ自体で何かを語っていますから。
■写真 天目渚の詩花瓶
「有田焼本来の味わい、日本人の美意識に響く作品でお迎えします。」
私たちの子どもの頃は誰もがそうであったように、山や川が遊びの舞台でした。自然の良さが身にしみてますから、今でも川べりや裏山といったあるがままの姿が好きなんですよ。
焼き物もそうなんです。原料には科学の力が加わり、道具もどんどん便利になっていますが、もちろんそれはそれで作品の幅が広がっていいものができる。でも私は昔ながらの原料や道具を用い、伝統の技を、責任を持って次の時代につなげていきたいんです。
例えば九州陶磁文化館でも、煌びやかさだけに注目するのではなく、古い時代の、自然のままの陶石の味わいや温かみを感じてほしい。有田本来の器の美しさは、日本人の美意識そのものですから。
「豊かな自然と静かな環境の中で、作陶に没頭できる、ふるさと南川原。400年の歴史が流れる有田の独特な匂いを感じてほしい」
有田で一番好きな場所をあげるとしたら、やはり故郷である南川原。
夕方のウォーキングを長年続けていますが、豊かな自然に包まれた、ふるさとの風や匂いを感じることで、いろいろな発想が生まれてきます。
田植えや稲刈りの匂い、照りつける太陽にさらされたレンガやコンクリートの匂い・・・。目に見えない匂いは「ふるさとの心」でもあります。


初めて有田に来られた方には、泉山磁石場や陶山神社を訪れていただきたい。採石場跡の削られた山肌を見れば、有田の歴史を築いた陶工たちへの思いを深めることができるし、陶山神社では磁器製の鳥居や大水甕など、先人たちが手仕事で作り上げた伝統技術の粋を見ることができます。
伝統とは、古いものを模倣して伝えるのではなく、新しいものを創造して伝えていくこと。平成の時代に作り上げた作品も、50年先、100年先には有田の伝統になります。作陶に必要なのは、作る技術と創造するセンス、それに打ち込む情熱と心。すべてが相まって、見る人に感動を与えるような作品が生み出されます。私自身、常にそういう気持ちを持ちながら、日々精進しています。
■写真 白磁瓜型壷
あなたを彩る有田の色 arita.jp